ロングステイ観光学会で2023年度に活動する分科会が採択されましたので、お知らせいたします。
〇「ワーケーション」の地域における展開状況とその影響
代表申請者:井上 晶子
目的:コロナ禍の影響を受けた観光地において、テレワークから広がった「ワーケーション」に注目が集まり、省庁等による様々な支援策が展開されている。ただ、観光地への長期滞在者の増加や、関係人口による地域活性化への寄与等、ワーケーションの展開に期待されている効果に関する実証的な研究は行われていない。そこで本分科会では、ワーケーションが地域のどのようなインパクトを与えうるか(与えてきたか)を明らかにする研究活動を行う。
予想される発表成果:日本におけるワーケーション研究の端緒となるとともに、主に観光地への長期滞在者増加の可能性について、観光振興への示唆的な成果が期待される。
成果の発表方法:ロングステイ観光学会を主たる発表の場とし、全国大会等で成果を公表する予定である。
他学会員のオブザーバーとしての参加受け入れ:あり(ご希望の方は事務局までご連絡ください。)
〇アルメニアにおけるアグリツーリズムの振興について:ロングステイ型インバウンド/アウトバンド観光(経済)活性に関する研究調査
代表申請者:池田 寿美子
テーマ:産地体験型長期滞在観光調査
対象:コーカサス地方:アルメニア
目的:アルメニア(コーカサス地方)における産地体験型(ワインツーリズム)ロングステイ観光可能性の検証
コーカサス地方のアルメニアは、ジョージアと並び、古くからワインの産地であり、世界最古のワインの生産地(約6100年前からワインが生産されていたことが近年の調査で明らかになっている)である。近年、アルメニアワインの人気は欧州で高まっており、アルメニア政府も欧州でのワインツーリズムのプロモーションに力を入れている。
本調査では、アルメニアのワインツーリズムの実態を調査し、日本人観光客がどのような体験やサービスを受けることが可能であるのかを調査する。今回の調査では、特にロングステイ観光の対象者を日本のワイン農家など、ワイン産業従事者の視点を中心とした調査を行い、ワインの本場におけるワインツーリズムの取り組みが、日本のワインツーリズムを更に振興させる参考資料としたい。
予想される成果:
・近年の日本におけるワインブームを後押しとして、ワイン愛好家、ぶどう農家、ワインを提供する飲食店オーナー向けにテーマの企画・提案(アルメニア・日本の旅行会社、個人のワイン愛好家向け)。
・日本からのブドウ農家、ワインを扱う飲食店オーナーなどから日本人観光客の来訪による現地交流・体験型滞在を通じ、アルメニアのワイン産業関係側との交流を発展させ、日本へのインバウンドという相乗効果に関する基本調査としたい。
*アルメニア側の旅行会社に日本人向けのワインツアーに関して提案してみたところ、非常に関心を示し自社のオプショナルツアーへの掲載も考慮したいとの反応があった(2023年7月:アシャ・アララトトラベル社長との面会時)
参考:調査内容:
以下について、現地の専門家と共に調査を実施する。
・ワイナリー訪問・ワイン関連ファシリティ調査
・アルメニア政府のワインツーリズムへの取り組み
・ワイン関連のデータ収集
・アルメニアワインを中心としたロングステイ(アグリツーリズム)の提案による相乗効果
他学会員のオブザーバーとしての参加受け入れ:あり(ご希望の方は事務局までご連絡ください。)